2013/06/26 5:55 に Taro Inomata が投稿
杉並労山谷川集中山行として、登攀B班は衝立岩中央稜を計画しました。当初の計画は6/1土曜日に出発し、土合駅で他パーティと合流し宴会。6/2日曜日早朝から登攀ということでしたが、グズグズしていた週末の天気予報を伺いつつ悩んだ末、5/30木曜日夜にL鈴木氏が最終決断。「土曜日ならいけるでしょう!」ということで急遽日程変更し、金曜日夜出発・土曜日登攀となった。出発が早まることを想定して、途中まで済ませていたパッキングをジムから帰った後にバタバタと済ませる。明日出発かぁ、と心の準備が中途半端なまま… 2013年6月1日 L鈴木・萩原(記)
5/31(金)出発明日の為に電車の中で少しでも睡眠時間を確保したいと思っていたけど、金曜夜の高崎線は帰宅する人達で混雑して、1時間程しか寝られなかった。高崎駅で鈴木さんと合流。水上駅24:03着の上越線最終電車に乗る。水上駅からタクシーで谷川岳登山指導センターまで移動。移動時間は20分程だが、水上駅でタクシーを少し待ったので到着したのは25:00過ぎだった。先客1パーティ。私たちもマットと寝袋を広げすぐに就寝。その後もう1パーティ。激しいイビキもなく、静かで快適だったが、熟睡出来ず浅い眠りが続く。 6/1(土)登攀日3:30起床。睡眠時間は少なかったが、体調もよく、頭もスッキリしていた。支度を済ませ4:00出発。 薄暗い中、舗装された道を歩き一ノ倉沢に向かう。出合でO&S氏パーティにまさかの遭遇。お互いにびっくり。衝立の難しいルートを登るとのことだった。 初めて一ノ倉沢を目の前にし、その迫力に衝撃を受け、恐れおののく。岩壁は朝日に照らされて明るく浮きだって見え、さらに迫力を増しているように思えた。「わ~、なんだかすごい所に来ちゃったなぁ、あんな所登るのか(怖)こんな雪渓の上歩いてあの先の取り付きまで行けるのかな?!?!」(心の声…)と、自らここに来ることを決めたのにそんなことを考えていた。 雪渓の上を歩いてテールリッジに到着。今思うと、テールリッジが一番恐怖だったかもしれない。とくにクライムダウンする時。お日様が顔を出し、日があたると気温は上昇してアプローチは汗だく。 6:30中央稜取付き先行パーティはおらず、一番乗りで到着。後続パーティもまだ来ない様子だったのでゆっくり準備しながら打ち合わせ。トポには4P目のチムニーが核心と記載されており、ここは経験のある鈴木さんにお願いしたく、萩原*奇数ピッチ、鈴木さん*偶数ピッチをリードすることに決めて登攀開始。中央稜は簡単なルートで、クライミング自体はなんてことないのだが、支点がとりにくく浮き石も多々あり。落石させないように一手・一足ごとに確認しながら登っていく。 キラキラしたボルトが何本も打ってあるフリーのルートを登るのとは違った緊張感が続く。3P目の出だしのトラバースは恐怖のあまり独り言を連発していた。順調に全9Pを登り終え、10:15衝立の頭に到着。ブユがたくさん飛んでいて、刺されるまいと静かに格闘。同ルートを懸垂下降したかったので、記念撮影をサッと済ませ、後続パーティが来る前に下降開始。 前半はロープをスタックさせることもなく、スムーズに降りて来られたが、あともう少しといった所でロープの結び目が木に引っ掛かってしまい降ろせなくなってしまった。鈴木さん、渾身のトライにより無事降ろすことが出来て事なきを得た。よかった~!取り付きに到着し、ひとまずコーラで祝杯。少し休憩してからゆっくり荷物をまとめて再びテールリッジを下り、一ノ倉沢へ。出合に到着して、やっと緊張感がほぐれた。「おつかれさまでした」と無事に行って帰ってこられた喜びと達成感を、再度噛みしめる。谷川岳登山指導センターに戻り、荷物をまとめ土合駅へ。駅に到着すると、すでに一人宴会を始めていた、菅原さんの姿が見えた。なんだか嬉しかった。下山報告をし、菅原さんの第二のリビングルームにてビールで乾杯。緊張感から解放されるとともに寝不足による睡魔と疲労の波がどっと押し寄せてくる。金澤さん・村山さんパーティと太郎くんには会えずに、残念だったが、電車より本数の多いバスに乗って水上駅まで移動。乗り継ぎがよくすぐに発車する電車に乗れた。帰りの電車の中では爆睡し、夜には自宅に到着した。谷川に行ったのは幻だったのかという錯覚に陥るくらい、あっという間だった。初めてだったこともあり、本チャンならではの緊張感を味わい過ぎて、達成感がふつふつと湧いて、また行きたいという気持ちになれたのは、気持ちが落ち着いてから何日か経った後であった。また今度、他のルートにもチャレンジしたいと今は思っている。 4:00 谷川岳登山指導センター出発6:30 中央稜取付き10:15 衝立の頭13:38 中央稜取付き15:07 一ノ倉沢出合16:20 土合駅 谷川岳の岩場は、これまでに経験したことがない独特の雰囲気で、本チャンデビューの私にとっては度胸試し、すべてがよい経験となりました。ペア組んで、引っ張ってくれた鈴木さん、本当に感謝しています。ありがとうございました。 |
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