イノマタ(記)、ナカジマさん、シモヤマさん(山岳同人マーモット) まさかこんなに早く冬の黄蓮に取付くとは思わなかった。
ナカジマさん とは八ヶ岳行きの車内で幾度か中央道から見る黄蓮を「いつかやりたいねぇ」と話していた。「いつ」がいつになるかも分からないくらいぼんやりと。 そんな時、季節を回してマモのシモヤマさんと田村さん夏の黄蓮右俣をやって、その後マーモット祭りで「冬もやっちゃう?」と声を掛けられたことで計画が一気に現実味を帯びた。右俣にした理由は自分の技術的な乏しさもあるが、夏に訪れたルートを冬にトレースしたかった所が大きい。日程は2泊3日を見込んで12月の連休を探したらクリスマスだった。今年は男3人、寒いテントの中でクリスマスを過ごすことが確定した。 あとは氷結が心配されたが、絶好のタイミングで寒波が到来して出発の週は大分冷え込んだ。そして降雪もない。前週に黄蓮入りした記録でも現地のコンディションは良かったらしい。これはチャンス! 結果、無風快晴、ラッセル無し、氷結も十分。最高のコンディションで抜けることができた。 ほとんどは傾斜がゆるい氷床なのでアイスクライミングとしての難しさはあまり無い。ただ傾斜がゆるいとはいえ奥千丈滝などは滑らせたら下まで行ってしまうので絶対落ちられないような登りもところどころあり、詰めはハイマツの雪稜で体力を吸われた。甲斐駒にダイレクトに突き上げるので距離が長くて体力勝負の谷だった。 ■タイム概略 8:00竹宇駒ケ岳神社(駐車場)着~8:30発~13:00五丈小屋跡~15:00七丈小屋(テン泊) 3:30起床~5:00発~5:20六丈沢下降点着~(いろいろあって)~6:00六丈沢下降開始~7:10坊主ノ滝上着~7:15黄蓮左右出合~13:40稜線着~13:50甲斐駒ケ岳山頂~13:50下山開始~15:20七丈小屋テン場着(テント撤収し素泊まり小屋泊) 5:30頃起床~7:20発~11:00駒ケ岳神社着 ■12/23 アプローチ+七丈小屋 5:00に自宅近くで
ナカジマさんにピックアップしてもらう。ついでシモヤマさんも。 中央道はガラスキで、3人の山道具話が盛り上がったこともあって気分的にも早く、8:00オンスケで駒ケ岳神社駐車場に到着する。身支度を整えて8:30出発。 刃渡り辺りまで雪は全く無く、まるで秋山の様相。ふかふかの落ち葉の登山道を登る。 ▼快晴の空。刃渡りからは八ヶ岳が良く見えた。 当初の計画では五丈小屋跡が幕場予定地だったが、六丈沢下降だと七丈小屋からのほうが近いし水にも困らないということで幕場を七丈小屋へ変更する。 下降点の下見もできて一石二鳥だった。 五丈小屋跡ではシモヤマさんとの遭遇率が以上に高いという龍鳳登高会のカワハラさん、一倉さんパーティに出会う。同じく右俣に行くらしい。 ▼六丈沢下降点 七丈小屋は大勢人が出入りしていて、そのほとんどが黄蓮狙いだった。 ただみんな小屋泊まりのようで、テント組は我々だけだった。整地されたテン場は寝心地が良かったが4~5人テントだったので3人では寒かった。夜中、時折ドーンドーンと突風が吹いていた。 ■12/24 アタック 翌朝、風は止み天気も良好。気温もピリッと低かった。 六丈沢下降点に到着してハーネスとアイゼンを装着したが、ここでシモヤマさん、アイゼンをテントに忘れてきたことに気がつく。朝からマラソンしてもらう。 待つ間、風の当たらない斜面で寝る。30分ほどで戻ってくる。 六丈沢下降は事前に情報を仕入れていた通り、右岸の尾根を絡めて下り、谷の地形が広がって渡れるところで左岸尾根に移動し下降すると、坊主ノ滝上に降り立つことができた。 ▼入渓(?)点。この滝の上から10分ほどで黄蓮右左の出合 ▼出合から30分ほどの滝。後にも先にもロープを出したのはここ一箇所だった。 ▼ナメ滝の回廊 ▼奥千丈の登り。ノーザイルだが前爪が利く。でも落ちられない。 ▼土下座ではない。氷床したでは絶えず水の音が聞こえている。所々で氷が薄くなっており、ハンマーで割ると水が飲める。 ▼長い奥千丈 ▼詰めの入り口。ハイマツ尾根の取り付きは草つき。アックスは良く利いた。 ▼ハイマツ尾根。体力を吸われるが、シモヤマさん余裕のポーズ。 ▼13:40稜線着。甲斐駒山頂の一つ北のピークに突き上げた。 クッタクタになって七丈小屋に下ると、暖かい誘惑にあっさり負けて小屋素泊まりに変更してテントを撤収する。 メンバー全員、慣れない山小屋で終始そわそわしたが夜は暖かく、ぐっすり寝ることができた。 ■12/25 下山 翌朝、5:30頃目覚める。下山だけなのでゆっくり食事をして出発。五丈小屋跡でカワハラさんパーティと合流し、黒戸尾根を一気に駆け降る。めっちゃ早い。 |
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