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過去の山行報告
一ノ倉沢 衝立岩 正面壁 ダイレクトカンテ ソロ
2014年10月19日 猪股(単独) シーズン最後最後と言いつつ、あまりに土日の天気予報がよかったので谷川に行きました。この日はダイレクトカンテに行きました。最高の天気でよかったです。 -登攀 2012年、 ダイレクトカンテは正面壁で唯一まともなメンテナンスが施されたとの噂だったが、行ってみた印象としては「ハズレ引くと2,3発飛ぶかもしれないけれど、ピッカピカのリングボルトが止めてあげる」な具合で、神頼みのピン全てが打ちかえられたわけではなかった。 今回は落差以前にフォール自体大ダメージなので、スピードより安全を重視して早々に行動を鉄の戯れに切り替える。ハイライトの2,3P目はリスとクラックが発達しているので、ナイフブレード5枚のローテーションで抜き差しのネイリングを繰り返し、場所によってはスモールカム、ナッツ、キャメ#1もバチ効きだった。結果、時間は掛かったが、点在するヤバイピンが連続するような箇所はほぼ迂回して、新しいボルトと効きの良いナチュプロのみでランナーを取ることができた。 ▲アンザイレンテラスを経て、1P目開始地点 ▲1P目を見上げる だが3P目上部、ぼろぼろのRCCボルトと半差しのハーケンなど3、4発続く箇所で、どうしてもリスが見つからない。リスを探そうと身体を起こす動作を繰り返していたらすっかり疲れてしまい、仕方なく嫌な残地を使う。今回の核心だった。 4P目最終ピッチはトラバースピッチなので、予想通り懸垂と登り返しにエライ苦労した。行動水が尽きて喉カラカラ。 14:00登攀終了。目標より2時間オーバーしてしまった。 北稜はロープ一本では降りられないのでソロのツラさがでる。疲れた体で流れの悪い50mロープを引っ張るのだ。一人で何回も。スタックなどした日には、なかなか絶望である。 最後の懸垂でピナクルに降り立ち、ロープを無事に抜いたら非常用の水を飲み干す。 が、全然足りないので足早に衝立前沢に移動して、這いつくばってチョロ水をがぶ飲み。冷たくて超うめー! 衝立前沢を下降して出合到着。今回は絶対うまかろうと缶チューハイを2本冷やしておいたので、ダブルで超うんめー!! 18:21の電車でふらふら帰京した。 ■タイムレコード 6:301P目登攀開始~14:004P登攀終了~14:30懸垂開始~15:40一ノ倉出合着 |
一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁 変形チムニー~大テラス~南フランケ ソロ
連休が仕事で欠けてしまったので、谷川に行ってきました。 今回は天気が安定していたので、以前計画した「変チから大テラス経由の南稜フランケ上部」をやりました。 -アプローチ 行きの電車で不覚にも寝てしまい、センターでの夜は目が冴えてなかなか寝付けない。結局2:00に起きてモゾモゾ支度を始める。日が昇るのも大分遅くなった。テールリッジに乗ったあたりでやっと空が薄明るくなり、変チ取り付きで日の出を迎え、燃えるような朝焼けに息を飲んだ。 -登攀 背後の感動的な風景に集中が削がれたか雑念となったか、1P目でだしからロープ末端のフィックスを忘れて登攀を開始するという、重大なミスを犯してしまう。25mほど登ったあたりで流れ止めの為のフィックスをしようとしたところ、手繰れども手繰れども手ごたえがなく、仕舞に末端が上がってきてたまげる。 ピッチのど真ん中で、ただ佇んでいる自分の状況を理解するのにどれくらいの時間を要しただろうか、Ⅲ級とはいえ辺りはまだ薄暗く、岩も朝露でしっとりとしている。もしこの25mでフォールしていたらロープは音も無くピンを抜け、間違いなく慰霊碑に名前が刻まれた一人になっただろう。 何はともあれ頭を巡らすよりセルフを取らなければ、とハーケン2本を打ち足して新たな確保支点とし、セルフをとる。今度は間違いなくロープをフィックスして登攀を継続する。まだ頭が冷め切ってないかもしれないので、正規の終了点まで残り15mはより慎重に。 正規の1P目終了点につくと、また頭が無駄な活動を始める。なぜフィックスしていなかったのか原因を追究し始めるが振り払う。 変チ2P目、悪い右の凹角をチョイス。結構シビれた。 変チ4P目、チムニーを登っていると急にロー プが出なくなって焦る。が、背負ってるロープザックを壁に押し付けてるからだった。一旦クライムダウンして、チムニーを超えられるくらいまでのロープを予め出して登攀を再開する。 変チから大テラスへのトラバース、変チ終了点から5mほどのカンテのトラバースは少しいやらしい。カンテを超え、奥壁ダイレクトのオリジナルラインを横切って左上バンドを辿って大テラス到着。大テラスというほど広くもないのだが、南稜フランケ核心3P目の終了点なので、その安堵の場であるここは妙に落ち着くのだ。 昼食がてら今回の目的のひとつである、『奥壁でネトゲーができるか』を試してみたが、電波が入らず即終了。アンテナは3本立ってるのにデータ通信はできないようだ。(電話はできるのに) シュールな図の写真撮影やら食事を済まして登攀再開。 南稜フランケ4P,5P目、傾斜は強いが点在するカチを拾い、壁に顔に擦り付けながら登る。やっぱり南稜フランケはこの掛かりのよいカチを拾ってのジリジリ感が好きだ。 南稜に合流すると、丁度下降してきたパーティと出くわす。 水戸葵山岳会という茨城の山岳会との事で、しばらくおしゃべり。 重いロープを一人で引くのがツライのでロープ1本折り返しで25mずつ下降。取り付きのデポ品回収して撤収。出合に冷やしたビールで一人宴会して、15:31の電車でフラフラ帰京した。 |
一ノ倉沢 衝立岩 中央稜 ソロ(完登)
2014年7月21日 猪股(単独) 梅雨の影響で天気が悪く、予定していた東北遠征は中止。休日の過ごし方を考えつつダラダラ天気予報眺めてたら、意外に天気良さそうだったので、急いで準備して電車に飛び乗って谷川にいってきました。 -アプローチ 高崎は灼熱、水上は豪雨、土合は小雨になって、指導センターでベロベロに酔い潰れたころには星空になった。出発前の天気予報では、翌月曜日は夕方から荒れ模様との事だったので2:00起きの速攻とする。 暗闇の林道歩き。風が生暖かく不気味だ。前日、やめときゃいいのに電車の中で稲川淳二の怪談なぞネットラジオで聞いてしまい、それを思い出してしまって怖くて仕方が無い。(俺は非常にホラーが弱い)無理やり明るい曲を聴いて振り払う。 ▲テールリッジ中間らへん。空が明るくなってきた。 -登攀 出合から最初の巻き道に入り、沢の出口で雪渓に乗る。 テールリッジ取り付きで空が明るくなってくる。ノロリノロリ汗だくで中央稜取付に到着し、荷を解いて奥壁を偵察しにいくと、昨晩の土砂降りの影響か奥壁は一面水が滴っていた。当初の目的は奥壁の気になっていたラインの見学を兼ねて、変チから大テラス経由の南稜フランケ上部をやる予定であったが、これではとても怖いので、中央稜に変更した。 1P目~4P目、ビショビショでチョークは無意味。4P目核心は凹角からカンテに出る際にどうしてもヌルヌルの足が信用ならなくてA0してしまった。5P以降で岩が乾いてきた。この時期の谷川は暑さと鬱陶しい虫との格闘だが、この日は結局陽光が出ることはなく、また虫に悩まされることもなかった。厚く重く圧し掛かる雲にモチベーションが削がれなければ、割と良いコンディションであったと思う。 最終ピッチはフェースライン。しっかりしたカチと、カム決まりのよいクラックでフィナーレ。終了点でしばらく休憩。この日は一ノ倉を独占であった。 ▲1P目ビショビショ 2:00起床-3:10出合-(最初の巻道)-(雪渓)-テールリッジ-4:30中央稜取り付き-10:15中央稜終了点-(同ルート下降)-12:35中央稜取り付き着-13:40出合着 |
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