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明星山P6南壁・五月ルート

2012/10/22 8:59 に Taro Inomata が投稿   [ 2012/10/25 8:43 に更新しました ]
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日程:2012年10月6日~8日
 メンバー:中島、菅原(L)、猪股(記)、下山(マーモット)

明星山は岩壁を車道から正面に見せて、クライマーを立派な名観光資源にしている高差400mの石灰岩の岩場である。今回は3連休の中日の天候悪化で初日の五月ルートだけ登って、メインであったマニュフェストは取り付き敗退となった。しかしそんなメジャールートの敗退気分よりも、普段自分がガイドブックをパっと見ただけではチョイスし得ないルートに取り付けた事は大きな収穫であった。

■10/6 アプローチ、五月ルート登攀
朝5時過ぎ、中島号で菅原さん、猪股、下山さんを拾ってもらい出発。関越の渋滞前に東京~糸魚川ICを脱し、9:20展望台着。
事前に写真で見る明星山は車道もしくは展望台を入れて撮影しているので距離感がつかめず、同時に不思議な錯覚が働いて妙に小さく見える。それこそ5mくらいのボルダーなんじゃないかと思うくらいなのだが、実際に見るとガイドブックの説明通りのスケールで目の前に広がり圧巻だった。

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▲5m位のボルダーです。



展望台でトイレや下見を済ませ、さらに車で十分ほど上流の駐車場まで。
駐車場で登攀装備を付け、河原を下降する。石を飛び移りながらの渡渉を交えて十分程、10:40五月ルート取り付き着。パーティ編成は先行A班 菅原・中島、後行 B班 猪股・下山とする。

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▲取り付きへ渡渉を交えた河原歩き。

(以降B班 猪股主観)

■1P目 猪股 5.7
まず顕著な左上バンドの基部を目指して階段上の岩から草付、潅木帯。左上バンド基部からはバンドに沿って登る。プロテクションは基部付近にハーケン2箇所。以降はカムでバンド内のクラックにプロテクションを取っていく。40mで一旦バンドから3mくらいフレーク(っぽいガバ)を直上して1P目終了点(たぶん迷わない)。これで5.7なの?(悪い意味で)

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▲1P目取り付き

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▲1P目進行方向

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▲1P目~4P目(色の変わり目がピッチの切れ目)

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▲1P目終了点へ

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▲1P目終了点


■2P目 下山 5.8
更にバンド上が切れるまで左へ5mほど左上し、10直上し終了。短いピッチだが終了点下1mが悪く、あれ?あれ?と悩む。これで5.8なの?(悪い意味で)

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▲2P目 出だしのトラバース。


■3P目 猪股 10b
2mくらいの薄被りコーナーから10mコーナークラック。薄被り出口に残置ハーケンとそれに巻かれたスリングが垂れている。出だしのコーナー薄被りは意気揚々フリーで行けたが、それを出て覗いてみると一層クラックが狭まりフィンガーサイズ。そこに土が詰まっていて、点々と弱弱しい枝草がボサっと固まって先の状況を遮っていた。その先どうなってるのか判らず怖かったのでランナーを取ろうとクラックの土をかきだしてはナッツやカムをゴニョゴニョしてる内にパンプして、あえなく被り出口の残置スリングでA0してしまった。もうその後は土をかき出してランナー工作するたびにテンションをかけてしまった。先行パーティが登ってるのになんでこんなに掃除してるんだか・・・。
必死ながら印象的だったのは、このコーナーの右側フェースはトゲトゲした岩肌で、押さえつける右手に刺さるほどだったのでステミングがすごい利いた。

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▲3P目フォローの中島さんを見送る。出だしは被っており出口下に残置ハーケンとスリングがぶら下がっている。

■4P目 猪股 10a
3P目を登り切る前に先行パーティの菅原さんが次ピッチをゴニョゴニョしていた。「ルート忘れちゃったなー」「あれー?こんなとこ登ったかなー」といいつつ、そんなとこからクライムダウンできんのかよと思うような、指先しか入ってない砂砂したコーナークラックから平然と3目終了点まで降りてきた。
右寄りではなく真上の凹角はガバっぽくて登り易そうだが被ってて、なんだか脆そう。そうこうしてる内に4人揃う。先行パーティで全ピッチリードの菅原師範はアルコール切れの兆候でブルブルしていた(分かる人は沢山居るはず)。下山のお兄さんは「どうします?俺はどっちでもいいですよ」。中島さんは「お任せしますよー」と。
頭巡らせ、つるべと言えど先輩と行動してんのだったら、「とりあえず行ってみます。行けなかったら、戻ってきます」ということで、イった。

出だし1mくらいのコーナーにチビカムを入れ、続きハングっぽい手前でキャメ#1を入れて、ガバを抱き岩覚悟でフリームーブで被ってる箇所を越える。岩角でランナー取って凹角を左に逃げたら、簡単な階段状になり、終了点となった。

おぞろおぞろと数珠登攀で4人揃い、懸垂2ピッチで、15:00取り付きに到着。
駐車場に戻り、糸魚川IC先のMaxValueで大量の酒と鍋の具材買って、高浪の池キャンプ場で天幕。鍋つつきつつ、菅原さんのiPhoneでエスパニョールな音楽で盛り上がる。記憶の定まらない時刻に寝にょーる。

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▲脆そうな4P目を見上げる

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▲脆そうな、とはいえそれっぽい4P目。チビカムを写真左中央のクラックに。キャメロット#1を同じコーナークラックの写真中央上のクラックへ決める。

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▲4P目終了点

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▲3P目開始地点へは空中懸垂。

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▲3P目下降点にて。



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▲高浪の池キャンプ場の宴会会場

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▲刺身



■10/7 雨天により撤退
6:00起床。昨晩テントを打つ音で目覚めるくらいの雨が降ったが、朝は高曇りとなり所々青空も見えていた。待てば乾くだろということで、準備を進める。

まったく話が逸れるが、キャンプ場から河原沿いの駐車場までの道中はクルミの木が多かった。落ちたクルミを車が割るので、それは野鳥の格好の餌になる。クルミを食べたくて仕方ない明星のハトは、ハトなのにチキンレースに非常に長けていることが分かった。彼らはとぼけた顔して本当にギリギリまで動かないが、ペシャンコになった姿は一羽とも見られなかったからだ。彼らに勝負を挑もうならばことごとく翡翠峡に堕ちるだろう。

駐車場に付いた時点では穏やかな薄い雲であったが、マニュフェスト取り付きについた直後に急転。地鳴りのような雷が鳴り出しポツポツからサーッと雨が降り出してしまった。見る見るうちに石灰岩の岩壁がツヤツヤしだしてしまい撤退判断で逃げ帰る。テント撤収の為キャンプ場にもどったら雨が止んだがもう登れる状態ではないだろうということで、明星撤収とする。
展望台に戻ると、先ほどの通り雨を耐えた1組のパーティがフリースピリッツの登攀を続けていた。糸魚川シーサイドバレースキー場の塩の道温泉で汗を流して出たら大雨となった。彼らはどこまでいけただろうか。

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▲見上げるマニュフェスト。見る見る打ちに岩肌は光りだす。

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▲草に隠れて雨宿り。

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▲車道から明星山岩壁

その後は関越トンネルを抜けるまで雨は降り続いた。
翌日は西荻ランナウトでドラツーやってお茶を濁して連休を終える。


五月ルート装備:
ガイド通り、カム極小サイズ~ハンドサイズ1セット、加え3P目はナッツの食いつきがよいのでナッツ1セット持っていくとよいよい。
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