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日本海を目指して後立山単独縦走

2012/08/15 6:59 に Taro Inomata が投稿

日本海を目指して後立山縦走

(扇沢~蓮華岳~針ノ木岳~爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳~五竜岳~朝日岳~親不知)

 

 

【日程】 2012年7月21日~2012年7月27日

【メンバー】石井(単独)

【感想・記録】

他「今回はどこまで?」

石「日本海まで♪」

他「どこから登ってきたんですか?」

石「扇沢から♪」

縦走中によくある会話で、話すたびに、長い縦走だなぁと自分でも思う。

登山を始めて早一年。半年前から考えていた、この日本海を目指す縦走を実行に移す日が来た。

この縦走のために、GWには、長期縦走の練習をしたし、この前の週には、天気が悪くても、判断の練習と気候の下見のための練習山行を北アルプス燕岳にいったので、たぶん、下準備はバッチリ。

いざ縦走を終えて、記録を書いてみると、2つのキレット越え、白馬~黒岩岳のお花畑のきれいさ、最後に入った日本海の気持ちよさ、縦走終了時に海で叫んだ爽快感、・・・などなど、今回の「山の思い出」はたくさんできた。また。途中にいろんな人と話したり、時にはパーティを組んで、途中で別れたりと、いろいろと楽しい「出会いの思い出」も。

山を始めて一年もたつといろいろできるようになるもんだと実感した。


7/20(前日) いざ出陣じゃあ☆

「お先失礼します!!」

月末締めの仕事を終えて職場を出る直前に、休暇届けをだし、席の近い先輩や、同期に明日からしばらく休むからと伝える。もちろん、会社のデスクの真ん中にはドカンと山行計画書を置いていくことも忘れずに。

 家に帰ると、あらかたパッキングは終わっていたので、あとは、『水着』と食料をつめるだけ。今回は計画では、6泊7日と予備日2日なので9日分の荷物、食料は約30食分。全部つめるとびっくりするくらい重い・・・。

この重さはいままではじめてだ(笑

かといって、ある程度の精査はしたつもりなので、置いていくものは何もない。重いザックを背負って、家を出る。

バス乗り場で少し時間があったので、一部荷物の整理をして固まる・・・。

「あ、水着忘れた!!!」

仕方ないので、そのままバスに乗って、扇沢を目指すことになる。

なんだか微妙なスタート・・・


 

7/21(一日目) 雪渓でガス欠・・・

天候:雨時々曇り

5:00 扇沢 → 9:20 針ノ木小屋(テント泊、その後蓮華岳へピストン)

              

 扇沢に着くと、意外と人は少なく、針ノ木雪渓に向かう人も少ない。それもそのはず、今日は雨だから。仕方なく合羽を着る。例のザックがいつもより少し重いことを除けば途中まではいつも通りのスタート。

 雪渓にとりつくと、視界は、雪渓の白なのか、ガスの白なのかというくらい白いが、東側はなぜか晴れ間が見え、たまに後ろを振り向きながら、初めての雪渓登りを楽しむ。

↑針の木雪渓にて

 

↑針の木雪渓を登っていくと真っ白・・・。

 

 雪渓の中は、平らな所があまりなく、ひたすら急なのぼりなので、一心不乱に上っているとついにガス欠に・・・そういえば、ザックがいつもより重い分行動食も早めにか・・・と気づかされる。

 ということで、雪渓の途中でカロリーメイトをほおばる。そうしていると、女性2人のグループが追いついてきて、少し話し、『カレー味のパンケーキ』をいただいた。聞くとちょっと不思議な響きだが、食べてみると意外と行動食には向いてるかも。感謝感謝☆

 

 その後は、順調に登って行き、一日目のテント場に9時過ぎ到着。少し休んで、蓮華岳にも行ったが、この日は雨だったので、景色はいまいち。

 テントに戻って、晩御飯のちょっと豪華なカレーうどんを。最近のお気に入りなので、行動中は重くても我慢。そして、食後はフルーツゼリー。これも、最近のお気に入りで、今回は7個持ってきた。

 さて、明日に期待して寝るとするか。

 

7/22(二日目) 朝っぱらからテント内カレーパーティー(泣 

7/22 曇り時々雨

5:40 針ノ木小屋→ 6:20 針ノ木岳→ 12:00 爺ヶ岳→ 12:40 冷池山荘(テント泊)

 

 朝起きると、早速朝食の準備。朝食は昨日に続きカレーうどん。気分よく、食材をコッヘルに突っ込み、ぐつぐつ煮込むと出来上がり。がつがつ食べるてると、途中でおなかいっぱいになったので少し休憩。ご飯の合間にシュラフを片づけることにした。

「ドテっ

 しゃがんで片づけてると、膝にカレー入りコッヘルが当たってしまい、テント内でカレーパーティーをやってしまった(笑

 「マジか~!!!!!」

朝っぱらから、こぼしたカレーの片づけをすることになるとは・・・トホホ。

今回は、長期縦走の悪臭対策で「ファブリーズ」を持ってきていたのが不幸中の幸い。とはいえ、縦走2日目の朝にして、ゴミは増えるし、トレペとファブリーズは半分なくなるしで・・・なんだかな~・・・。

 片づけをすると出発が遅れたが、なんとか6時前に出発。天気も良くなくて、雲も重そうだし、ガスもかかってるしで、自分の今の気持ちを映し出しているかのような天気での微妙なスタート。針ノ木岳、スバリ岳と縦走をしていくと、赤沢岳の山頂直下に頭に包帯を巻いている人発見。携帯電話で元気そうに電話中だったので、ちょっと迷ったがなんともしがたく、スルーして先に行くことに。あとで聞くところによると、山頂直下で滑落して、先行の人が応急手当と救助要請をしていたみたい。大事に至らなくってホントよかったとおもった。

 その後は、鳴沢岳のあたりで少し晴れたので山頂でコーヒー休憩もできたし、爺ヶ岳周辺ではライチョウを見ることができ、ほとんどが曇り空の下での縦走だったがそこそこ気分よく楽しめ、冷池山荘到着。

 

↑鳴沢岳山頂でコーヒー休憩

 

 冷池山荘でテント場の予約をすると、

小屋番「テント場まではここから鹿島槍の方向に7分ですので」

石「えっ!?7分??」

小屋との離れ具合にかなりびっくりしたが、言われた通り、徒歩7分でテント場に向かい、テントを設営。テント場では、たまたまながら、僕と同い年の男の子がいて、話が盛り上がった。

 彼は登山歴は2年で、単独テント泊縦走は初めてとのこと。聞くと明日は同じ方向とのことで、仲良く明日は一緒に行こうと何となく約束。

 単独の楽しさはこんな他の登山者とのふれあいにもあると思っている。

                                          

7/23(三日目) パーティー結成

天気:曇り

4:40 冷池山荘→ 6:30 鹿島槍ヶ岳(南峰)→ 12:00 五竜岳→ 13:20 五竜山荘(テント泊)

 

 朝起きてみるとそこそこ天気はいい。4時過ぎに出発した。昨日の男の子は、ちょっとお寝坊さんだったみたいなので、若干先出ることに。多分、日の出の写真を撮ってたらおいついてくるだろうな~って思って今日もスロースタート。出発から20分ほどたったあたりで追いついてきたので、ここからは2人パーティ。今回も楽しい旅になりそうな予感♪

 多分、こんな感じに単独同士で仲良く行くことはよくある話だとおもうし、僕自身、こういうのは結構好きだったりする。

 鹿島槍までいくと、景色がすごくよく、今回の縦走の中で初めてピークで晴れた瞬間だった。山頂ではたまたま居合わせた女性登山者にキュウリとブドウを頂いた。2日ぶりの生ものはやっぱりおいしい。感謝感謝☆


↑正面見えるのが鹿島槍

↑鹿島槍山頂は天気がすごくよかったので、逆光で一枚。

 さて、ここからは、八峰キレットなので、慎重に。終始僕が先頭でいく。鹿島槍の南稜を出て、北稜に行くと、いい具合にブロッケン現象をみることもできた。鹿島槍から五竜までは、終始霧の中だったが、特段問題なくキレットを通過し、五竜山荘へ向かうと途中でライチョウを発見。やっぱり、ライチョウは何度見てもかわいい。歩を止めてライチョウの写真を撮り、五竜山荘に向かった。


↑あまりきれいに撮れてないけどブロッケン現象。


↑八峰キレットは鎖場が多い


↑ライチョウは何度みてもかわいい

「風強っ!!」

五竜のテント場は風が強かったので、テントを張るのも一苦労。先の男の子とは、隣合わせでテントを張って、夕食も一緒に。 

 五竜山荘は結構人が入っていたので、山荘の前のベンチに座っているといろんな人と話ができてすごく楽しい。中には、九州から飛行機とバスを乗り継いできたという、生粋の山好きも。

 

7/24 (四日目) 別れ

天気:曇りのち晴れ

5:10 五竜山荘→ 8:00 唐松岳→ 11:40 天狗山荘(テント泊)

 

 朝起きるとやはり風は依然として強い。昨日の夜から、テントも風で変形するし、撤収が大変。強風の中でも5時過ぎにはなんとかテントを撤収して、次へ進む。出発時は今日も天気はいまいち。そして、先の男の子とは、唐松岳までは一緒のコースなので、途中まで一緒にいくことに。

天狗山荘に着くと、小屋の前にはたくさんの中学生が並んでいた。なるほど、このあたりの中学だと、林間学校研修が唐松岳ってことね。なんとなくうらやましい気がした。

中学生の人ごみをかき分けて、先に進むとすぐに唐松岳到着、先の男の子とは、ここでお別れ。2日間も一緒だったので、別れるのはちょっと寂しい気もするが、ま、仕方ない。お互いの下山までの安全を願って握手でお別れ。

ここからは、不帰ノ嶮を単独で越えることになる。

さ、行くか!とスタートしたところで、天気もだんだん回復基調で安心してのスタート。不帰ノ嶮は昨日の八峰キレット以上に整備されているので、それほど危なくもない。不帰ノ嶮よりも、その後に続く天狗山荘までの登りの長さの方がきつい気がした。

天狗山荘のテント場は、昨日に引き続き風は強いものの、水はあるし、炊事場も使えるしですごく良い。おまけに、テント場からは妙高、戸隠あたりの北信が見えるし、ちょっと登り返せば、剱岳も見える。また、テント場に早めに着いたので、他の登山者ともたくさん話をすることができた。特に、隣のテントの男性とは長いこと話せたし、きゅうりを1本頂いた。感謝感謝☆

夕暮れ時には、高いところに登って太陽が沈むのをスタンバッていると、小屋番さんも片づけが早く終わったとのことで高いところに上がってきたので、一緒に夕日を見ることに。

朝は天気が悪かったが、午後くらいから天気がよい時間が結構あったので、今日は景色を結構楽しめた。

 

↑夕暮れ時の剱岳

 

 

7/25 (五日目)インドア派のアウトドア

天気: 曇り時々晴れ

5:00 天狗山荘 → 8:40 白馬岳→ 10:00 白馬岳山頂宿舎(テント泊)

 

 朝起きて外をみると天気はいまいち。

そこで、ふと思う。毎日、昼の前後には、テント場についていて、すごい順調に進んでる。1日くらいはロングコースをやるのもいいかも(←計画書を無視するのはよくないですが)。ってことで、白馬岳まで行って天気が回復しなかったら、景色が良いと噂の白馬岳~朝日岳は明日に回すことにしようと考えた。

サクッと白馬岳に向かうと案の定天気は曇りのまま。

「今日はここまで!」

と決め、白馬岳山頂荘が見えたあたりでやる気なく歩いてると

「これ、山荘にとどけてもらえませんか??」

カメラを手渡される。どうやらついさっき拾ったようで。その人は先を急ぐとのことでカメラを渡された。もしかしたら周りにいるかも?と、半分親切心、半分興味で、カメラ撮影写真を見てみるが、その人らしき人はまわりにいない。仕方なく、カメラを白馬岳山頂荘に届けることに。

テントの受付時間までは、暇なのでふらふらしてると、写真で見た男性を発見。

「クールピクス落としませんでした??」

と聞くと、やはり、落としたみたいで、白馬岳山頂荘に届けたことを伝えた。

見つかってよかった~

そのあとは、暇つぶしに周りをふらふらして、10時に、テントの受付を済ませ、今日のテントを張って終了。その後は、夕暮れ時以外、テントからでることもなくインターネットを閲覧したり、音楽を聴いたりで、インドア派な一日を過ごした。明日は、予定通り、栂海山荘まで行こう。

↑テントの中に引きこもるので、音楽でも


↑引きこもるといろいろ電子機器をつかうのでとりあえず太陽電池も充電中。


↑夕陽の時間帯はいい具合に晴れたので、白馬岳。



7/26(六日目) 長い行動時間でもお花畑に癒される

天気: 晴れ後曇り

4:20 白馬岳山頂宿舎→ 4:40 白馬岳 → 9:20 朝日岳 →

12:20 黒岩岳 →14:50 栂海山荘(無人小屋泊)

 

 天気が良いことを期待して2時に起床。空は満天の星空だった。4時には出発準備が整い、準備運動をして出発。白馬岳~黒岩山は事前情報通り、景色がよく、ところどころにお花畑が広がる。特に、黒岩平のあたりは、きれいだったなぁ。

↑白馬岳山頂から見た日の出


↑雪渓に朝日が映る風景は美しい


↑白馬から朝日は天気も良いし、景色もよい稜線歩き


栂海新道はお花畑が広がる。

↑アップで

↑栂海山荘は広くて快適な無人小屋

 

 15時前には、栂海山荘についた。山荘では、自分以外に単独1人、5人パーティが1組、夕食は仲良くみんなで食べた。山荘には、「山と渓谷」や「岳」が置いてあり、暇つぶしも結構できて、到着から寝るまではゆっくり過ごせた。

 19時にはシュラフに入り、海に飛び込むのはついに明日か~と思いながら、気が付いたら眠りに入っていた。登山を始めたばかりの時は長距離ばかりをやってた気がするが、最近やってなかったので、疲れてたんだろう。

 

 

7/27(七日目、最終日) いざ、日本海へ!!

7/27 晴れ 

4:40 栂海山荘 → 11:20 親不知登山口→11:30 日本海の砂浜(海水浴♪)→12:30 海水浴終了

 

 ここからは、高度も下がるので、日中は暑いし、午前中にゴールに着きたいと思い、若干早めの出発。前半は、急なアップダウンが多くて、なかなか大変。とはいえ、縦走初日に比べれば、食料も予備日の分(2日分+非常食)だけなので、荷物はだいぶ軽い(2泊分の荷物なので重いはずだが、7日目になると慣れか??)。

 高度を下げると、暑くなるが、あと少しで日本海と思うと足取りが軽く、昼前には日本海についた。海に着くと、達成感を感じたが、これで、今回の縦走が終わってしまうと思うと少しさびしい気もする。

 たまたま、僕の到着したタイミングでは、誰もいなかったので、自分撮りでいろいろ写真を撮ってみる。しばらく海で遊んでると、先に抜いた、グループが海に到着し、一緒に海水浴。最後は親不知駅まで車で送ってもらった。感謝感謝☆

でも、水着を忘れたのはちょっと痛かった・・・。

↑親不知の海岸まではあと少し。

↑まずは『岳』的なゴールシーン。

↑登山開始7日目のゴールだったのでテンションが上がってセルフタイマーでジャンプショット。5回目のジャンプで撮影成功しました☆

着地の時に脚の裏に熱された石が刺さるのが涙が出るくらい痛い・・・(泣

 

↑この親不知の海で最後は海水浴☆

 

親不知駅からは7時間かけて東京へ帰った。

予備日2日を残しての下山だったので、あと二日何しよーか??と考えながら帰りの『あずさ』でまどろんでいると

「明後日海沢いきませんか??」

と会長からメールが

「是非参加希望で☆」

と、メールを返し、帰って即縦走のかたづけをし、1日空けて今度は沢に。

今年の夏季休暇は「山×7日、沢×1日、休養×1日」と充実した9日間だった。

 

7日間の縦走は初めてだったが短期縦走にはない楽しさや達成感があるので、来年もまた長期縦走をやろうとなんとなくと思う。来年は北アルプス南部?南アルプス?あたりで8泊9日くらいで。

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