【日程】 2013年8月3日~2013年8月11日 【メンバー】石井(ひとり) 【コース】 ・南アルプス :広河原~北岳~塩見岳~赤石岳~聖岳~光岳~池口岳~かぐらの湯 ・中央アルプス:千畳敷~木曽駒ケ岳~宝剣岳~千畳敷 【記録・感想】 今年も縦走のシーズンがやってきた。 去年に引き続き今年も1週間縦走をすることに。 南アルプス・中央アルプスの雄大な自然の中で過ごす9日間はとても新鮮で登山の楽しさを改めて実感できる9間だった。 激坂を登ってバテバテだった日、悪天候でテントの中でゴロゴロした日、楽しい仲間と騒いだ日、気持ちいい稜線を満喫した日、現在地を見失って焦った日、まったり過ごした最後の日。どの日だっていい思い出。
●8/3 縦走初日は張り切って(晴れのち曇り) 6:50 広河原~8:40 二俣~11:00 肩の小屋~11:40 北岳~12:50 北岳山荘(テント泊)
今年は、夏になっても沢ばかりで、縦走は全然やっていない。登山口について、荷物を背負っても、ずっしりとくる重さは久々に感じる重さだった。 そんな中、広河原をスタート。この日は、初めて通る右俣ルートで山頂を目指す。この日の前半は天気はわりとよかったが、山頂に着くころにはもうガスガスで、小屋につくころには真っ白だった。 でも、北岳はとても好きな山だし、このピークが今回の縦走のはじめのピーク。しっかり踏みしめる。 昼過ぎに北岳山荘につくと、テントの準備。今回は、軽量化はあまり考えてはいないが、こないだ津浦さんに譲ってもらったエアライズ1を初投入。今まで使っていたエアライズ2よりは狭いが、一人ならこれでいいかな~と満足のいくテントだ。 テントを立てると、中に引きこもり、ゆっくり休む。
●8/4 長い一日(晴れのち曇り) 3:30 北岳山荘~4:50 間の岳~10:40 塩見岳~14:10 三伏峠小屋(テント泊)
正直ヘッデン行動は苦手だ。 でも、縦走二日目の予定コースは長いので3:30に出発。 真っ暗の中、間の岳に向かう。できるもんなら日の出は間の岳でと急ぐも、岩場で真っ暗なので、何がなんやらわからないところを歩いてたりもする。やっぱり暗いのは苦手だ。それでも、日の出のちょっと前には間の岳山頂についた 「おはようございます」 先客の単独の方へ挨拶。彼も同じく日の出待ちのようで、二人で山の話をしながら日の出を待ち、太陽が登る様子に見とれていた。今日もいい一日になりそうだ。 先の単独の方に別れを告げて、先に進み、熊ノ平小屋で一服。熊ノ平小屋は、ウッドデッキがある小屋で、とてもきれい。天気も良いので、テントを少し干させてもらい、行動食のカロリーメイトをほおばる。 「カロリーメイトなんかで力が出るの???」 しょっちゅういわれるが、それは力が出るのではなくて、出るだけの力でいいじゃないかと思う。 2本で足りないなら4本でも6本でも食べればいいし、それでもだめなら今日はそこで終わりでいいのでは?? 20分くらい休むと、先に進むことに。ここからは樹林帯が続き、北荒川岳にでると、そこからは一気に視界が開けて塩見岳がどかーんと見える。 「すげ~~~~」 そんな感じだったと思う。ただただ、目の前にそびえたつ塩見岳のでかさにびっくり。そして、ここからはそんな塩見岳を見ながらひたすらの登りだ。 旧キャンプ場を少し超えたあたりにお花畑も広がり、塩見岳の登りは気持ちの良い道が続くが、時間がたつにつれて、塩見岳はガスに包まれる。 「なんだかな~」 とおもいながら、だらだら登ると塩見岳到着。その後は慎重に岩場を下って、塩見小屋を過ぎ、三伏峠に到着する。三伏峠でテントを張り、となりのテントの夫婦と会話を楽しむ。ひと段落して、水を汲みに行くときに、夫婦に一声かけると、1L水がほしいということだったので、ついでに汲んできてあげることに。 帰ってくると、親切にもおにぎりと漬物、トマトをいただいた。ありがとう☆ その後は、テントでゴロゴロしながら、周囲の人と話していると、わかっただけで、3名ほど、僕と似たルートを進む方がいるみたい。全員単独男性だった。ゴールはばらばらだがお互い最後まで楽しめるといいね~って。 夕方には夕立が降り、翌日の天気予報を見るといまいちのよほうになっていたので、翌日は早出早着だなと心に決めて、この日も早く寝る。
●8/5 早出早着(曇りのち雨) 4:30 三伏峠小屋~6:00 小河内岳~7:50 高山裏避難小屋(テント泊)
朝起きてご飯の支度をする 「行ってきます!この先も気を付けて」 昨日の夫婦は3時ごろだっただろうか、早出で塩見岳に向かったようだ。 「お互い気を付けていきましょう」 テント越しに彼らを見送り、出発準備を進め、4時半に出発。 やはり天気はいまいちでガスガスで何も見えない中、先に進み、8時前には高山裏避難小屋に到着した。 石「おはようございます!テントの受付お願いしたいんですが」 小「は?早くない??まだ8時だよ?」 石「天気のいまいちの日に歩くのはあまり好きではないので・・・」 小「・・・」 小屋番さんに呆れられながら、この日は高山裏避難小屋にテントを張ることに。テントの中でくつろいでいると、先の三伏峠で一緒だった人や、小河内岳避難小屋に泊まった人がサクサク先に進んでいく。 マイペースマイペース。これでいいだ。
●8/6 マイペースな仲間たち(雨時々曇り) 4:40 高山裏避難小屋~6:20 荒川中岳~7:20 荒川小屋(テント泊)
朝起きると、雨が降っている。 とはいえ、早朝はそれほど天気は崩れないと予想して、出発することに。 小屋番さんに、今日は荒川小屋まででやめますと伝えると 「あんまり天気を選んでると歩けないよ~。でも、自分で決めることだから好きにすればいいと思う。」 といわれる。そそ、自分の好きにすればいいのだ。 4時過ぎ出発するも、ずーと雨の中樹林帯を進む。ガレをあがって中岳につくころに雨は止んだが、天気は相変わらずなので、悪沢岳に行く気はせず、いっきに荒川小屋に下る。途中お花畑を通るも天気がいまいちだと。。。。 この日も8時前に荒川小屋につく。 石「テントの受付お願いします」 小「この時間なら百閒洞までいけますよ」 石「いいんです。ここで。天気よくないし」 さくっと、受付を済ませてテント場にむかうと、先客は2張の2名。kimidoriさんと半蔵さん(仮)。全員停滞ということで、小屋のベンチでなかよくおやつでもと3人で大判焼きを食べる^^ その後は、あとから来たULさんも加わり、4人で昼食、夕食をたべて、停滞ながら退屈することもなくとても楽しいひと時が過ごせた。3人ともすごく個性的で面白い人ばかりだ。 まずはkimidoriさん。彼は忍者業を営んでいるらしく、今年は手裏剣大会で優勝を狙っているらしい忍者会の貴公子。この日初めて「忍者」という職業の存在をしってびっくしりた。 半蔵さんは、南アルプスに魅せられて、今回は荒川小屋に3泊停滞、茶臼小屋に2泊停滞予定とのこと。確かに、この荒川小屋が好きな理由もよくわかる。南アルプスの良いところの話もたくさんきけたし、今度は参考にいろいろ僕も行ってみようと思う。 ULさんは、塩見から聖までの縦走をULで行く方。装備もアルコールストーブにツエルト、40LザックとかなりULに気合が入っていた。ULは僕も興味があったので参考になるお話もたくさん聞けた^^
この日は時間がたつにつれて、テントもどんどん増えて、夕方には、満員状態になった。気になったのは、高校生の山岳部がすごい多かったこと。V6とかV8のテントを担いでグループで縦走しているのはとても楽しそうだし、最近は女子も結構多いようで^^山岳会の将来は明るいな~と思った。
●8/7入道雲と追いかけっこ(晴れのち曇り) 4:10 荒川小屋~5:40 悪沢岳~7:10 荒川小屋(テント撤収)~9:30 赤石岳~11:30 百間洞山の家~ 12:40 中盛丸山~13:10 百間洞山の家(テント泊)
朝起きると、昨日みたお花畑が気になるのと、山頂の日の出が見たいのとで、悪沢岳にピストンをすることに。準備をしていると、高校生の山岳部が次々に出発していく。さすが山岳部。ばっちり足並みそろえて早出をする様子は見事の一言。とはいえ、彼らはフル装備の縦走なので、空身の僕はサクサク抜いていく。日の出までは1時間。中岳まではほぼトレラン状態で駆け上がり、なんとか日の出にまにあうも、中岳からは日の出は見えず残念(笑 それでも、だんだん明るくなっていく空は青く、今日は一日天気がよさそうではないか^^ 気分よく、塩見岳や赤石岳を眺めながら悪沢岳に向かう。 悪沢岳から下山していく途中には、昨日見たお花畑もある^^ やはり天気がいいとお花もきれいだった。 荒川小屋に戻ると、残ったテントは2張。僕のと半蔵さんのやつ。 半蔵さんのテントに声をかけるも、返事はない。たぶん赤石方面に散歩のようだ。 テントを撤収して、僕も赤石方面に出発した。 赤石岳の稜線は3000mを超える稜線に稜線歩きがほんと気持ちいい。 百間洞山の家の手前で半蔵さんとすれ違い、百間洞山の家では、くつろいでるULさんがいた。 でも僕は今日は兎岳避難小屋の予定なので、軽く会話を交わして先に進むが、小屋をすぎて、中盛丸山の登りに差し掛かったところで雲行きがどうも怪しい。 中盛丸山の山頂まででると聖岳方面は入道雲がすごかったので、安全を期して撤退することにした。ということで、今日は百間洞山の家までは入道雲と追いかけっこ。小屋につくと、テントを張ってULさんとUL談義で楽しく過ごす。 その後は、夕立くるかな~と思いきや結局来なかったのはちょっと悔しかったな。
●8/8 カルピス事件(晴れのち曇り) 4:20 百間洞山の家~6:20 兎岳~7:50 聖岳~8:20 奥聖岳~9:40 聖平小屋~11:10 上河内岳~ 12:50 茶臼小屋(テント泊)
この日も、朝は早めに起きて出発。兎岳をこえて聖岳に向かう。聖岳の登り、兎岳の登りはすごく疲れたが、この日は長いのでゆっくりしてもいられたない。とはいえ、天気はとてもよいので、聖岳の山頂ではちょっとゆっくり景色を楽しみ、その後は聖平まで一気に駆け下りて、茶臼小屋に向かった。 茶臼小屋でテント場の受付をすると、カウンターになしが1個300円でおいていたので、買ってみた。とりあえず、ザックをおろして、荷をほどき、テントをだそうとザックに手を突っ込むとやけにべたべたする。 「まじか~~!」 そう、中で、もってきたカルピスが破裂してた。 こうなると、「なし」もどうでもよくなり、とりあえず、水場でザックの中身をすべてあらうことに。 カルピス事件・・・・とほほ。 洗濯がひと段落したところ、今度こそ「なし」をたべる。 つかれた体にフルーツはとてもおいしく、もう一つ買おうと思ったくらいだ。 午後の暇な時間は、カルピス事件の残骸をかたずけて、他の登山者と山談義を楽しむ。 翌日も天気はそこそこよさそうだし、明日は一気に池口岳を下山しようと心に決めこの日も早めの就寝。 去年のカレー事件に引き続き、長期縦走ではやはりファブリーズは役に立つ。今回もこんなこともあろうかとファブリーズを半分以上残していた。
●8/9 最後の一日?(曇りのち晴れ) 4:00 茶臼小屋~4:30 茶臼岳~8:20 光岳~10:20 加加森山~12:00 池口岳~15:40 池口岳登山口~ 17:20 かぐらの湯(道の駅テント泊)
朝起きると、予想外に外はガスガス。真っ白でヘッデン行動も危ういが、とりあえず、4時に出発。ここから先は樹林が続くの安心しながら、先に進み、8時過ぎに光小屋に到着。8時になっても霧は全然晴れない。 ・・・さて、どうしよう?・・・ ・・・光に停滞か、下山するか?・・・ 少し悩んだが、ビバークも前提に水を4Lもって先に進むことにした。 光岳を過ぎると、池口岳までは、踏み跡、テープはあるものの、獣道もおおく気を抜くとロストしてしまう。たぶん一番まよったのはとりつきの部分。はじめに光岳と加加森山の分岐からどの尾根を下るのかよくわからず、何回もやりなおした。 途中も、何度もロストしながら加加森山までつくと、先行の単独の方に追いついた。 加加森山から池口岳も似たような道が続き、忠実に尾根をたどっていくと池口岳到着。 山頂で少し休んで、気を抜いたのか、地図を見ずにピンクテープのほうに向かって出発。しばらくして気づいたのだが、この道は南峰に向かう道のようだ。1時間ほど、自分がどこにいるのかよくわからん状態が続き、仕方ないので、山頂に戻って、今度は正しい道を再スタート。 その後は順調に下山して、池口岳登山口で終了。 でも、今回の山行は最後の道路もめっちゃ長い。登山口から、かぐらの湯まで歩く予定だ。道路を歩き始めて30分ほどすると、道ゆく親切なかったに10分ほど車にのせてもらい、大島バス停まで送ってもらう。 その後は、かぐらの湯まで歩き、かぐらの湯で汗を流して、この日は、道の駅「遠山郷」でビバーク。
とりあえず、1週間お疲れでした。
●8/10 第2ラウンド突入(晴れのち曇り) 12:50 ロープウェイ千畳敷駅~14:10 駒ケ岳頂上山荘(テント泊)
さて、一週間の縦走は終わったわけだが、まだ休みは2日残っているので、次は中央アルプスによって帰ろうと思う。こんなこともあろうかと、中央アルプスの地図もザックに忍ばせておいたのだ。 朝からバスと電車を乗り継ぎ、ロープウェイにのって一気に千畳敷カールへ。 気軽な山域なので、一般の方も多く、そんなペースにあわせて、駒ケ岳頂上山荘に向かっていく。 テントを張って、夜になると、この日は満天の星空をゆっくり楽しめた。
●8/11 今度こそ最終日(晴れ) 4:30 駒ケ岳頂上山荘~4:45 木曽駒ケ岳(日の出)~5:50 木曽前岳~6:25 木曽駒ケ岳~6:35 駒ケ岳頂上山荘(テント撤収)~7:50 宝剣岳~8:50 ロープウェイ千畳敷駅
最終日は、木曽駒ケ岳に朝一でのぼって、中央アルプスを周遊して、早めに切り上げて東京に帰った。 最後の二日間もなかなか楽しかった。 ▲間の岳での日ノ出 ▲赤石岳への縦走路 ▲みんなで楽しくおやつ ▲快晴だった聖岳 ▲9日間の締めは千畳敷カールで |
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