例会山行 南アルプス悪沢岳北尾根 [無雪期登山]
2024年9月13日~16日 TH、AK、KY、MK、YO、山正(記)、他会O
〈行程〉
9月13日 6:00鳥倉駐車場出発~10:00三伏峠小屋~11:30前小河内岳~15:00慣合△
9月14日 6:00出発~10:30 2650m藪開始~12:00西小石岳~14:30万之助カール△
9月15日 6:30出発~7:45東岳~13:30高山裏避難小屋△
9月16日 5:30出発~9:30前小河内岳~13:30鳥倉駐車場
〈記録〉
9/12 荻窪駅に集合しKY車・TH車に別れ歌舞伎の里大鹿に向かった。11時頃、到着し軽く晩酌を交わして就寝。
9/13 道の駅から45分ほどで鳥倉駐車場に到着した。平日だというのに第一駐車場はほぼ満車、ギリギリセーフ。団体装備を振り分けいざ出発。自分にはロング缶8本、食料、ポールが振り分けられた。重い。
三伏峠までの道のりはトラバース気味の道で快適に進める。苔むした森がとても美しく、時おり中央アルプスが見える良い道だった。女性陣の脚が攣るトラブルに見舞われるもほぼコースタイム通りに三伏峠に到着した。さすがに荷物が重いので再度コンプレッションを締めザックの重心を上げた。ビールを追加補充し、南アルプス主稜縦走路に乗った。前小河内岳までの道は長野県側の崩落が進んでいて痛々しい。この道も来年にはつけ変わっているだろう。
前小河内岳からは登山道を離れ東の尾根に入った。

前小河内岳東尾根を下る
東尾根は正規の登山道として整備されているわけではないが、踏み跡は濃く等間隔でピンクテープと青ペンキでマーキングなされていた。有志か東海フォレストだろうか、誰かしらによる整備されていて大変歩きやすい道だった。左側に塩見岳をナイフで切ったような痛々しい崩落が進む東池の沢がよく見えた。登りの時よりも下りのほうがビールの重さが膝にきて疲れるが、緩やかで広い尾根が続き歩きやすい。
2200mを過ぎると急斜面になるが、トレースは濃く問題なく慣合まで降りることができた。慣合には先客が残した焚火、薪、ベンチ、トング、網、ブルーシートが残されていてすぐに幕営できるようになっていた。山深い大井川西俣にこんなに残置物があるのは凄く残念なことに思った。とはいいつつも薪集めはめんどくさい、ありがたく利用させてもらった。
設営を済ませさっそく宴会を始める。初日の担当はKYさん、前菜のアボガドサラダに始まり枝豆、サンマ、ホッケ、ステーキを肴に日本酒の飲み比べを楽しむ。メインはキノコアヒージョとバゲット、締めに焼き芋を食べた。こんな豪華な山飯は初めてだ、下界よりもいいものを食べた気がする。大学のサークルで登るときはマルタイとかパスタのみで済まし安酒一本で我慢する。皆さんの食と酒のこだわりには驚かされた。その夜は満腹ほろ酔いでそのまま焚火の横で寝た。暖かい夜でぐっすり寝ることができた。
9/14 キノコそばを食べ6時に出発。ロング缶は6本に減り今日は軽いぞ!と思ったらTHさんからまた食料がわたされてしまった、残念。出発して即小西俣を渡渉し堰堤の横から尾根にと取りつく。不安定な急斜面で朝一からいやな登りが続く。

悪沢岳北尾根の取りつき
2時間ほど登ってやっと尾根が緩やかになってきた。出発から4時間、2650mから激藪が始まった。藪を避けるように途中まで東斜面をトラバースする。THさんが先頭で偵察しながらノコで藪を切る。 木に登ると藪の終着が200m先に見えたが、藪が薄そうな場所は無かった。しかたなく藪に突入する。
倒れた藪が元に戻ろうとして何度も転んでしまう。脛を打ちながら無理やり進んでいった。藪を漕ぐこと一時間半、目標の岩場に到着した。稜線上から確認すると西斜面は2700mぐらいから岩場になっており藪をほとんど通過しなくて済みそうだった。次回来る方には2650mから西斜面をトラバース気味で進むことをオススメする。

左側の岩場を目指し藪を漕ぐ

万之助カール正面は蝙蝠尾根と塩見岳
さてここから万之助カールまでの稜線は岩場が続き藪を通る事なく通過できる。千枚岳から塩見岳まで見渡せる最高の尾根道だ。3000mまで尾根を進み、ガレ場を無理やり降りると万之助カールに到着 した。カールには僅かながらも水が流れ正面に塩見岳を望む最高の幕場だ。焚火を焚き、早速今日の宴会を始める。担当はTHさん、春雨サラダと野菜炒め2種にポトフと白飯。2日目とは思えない豪華さでビックリ。今日も満腹で就寝した。

悪沢岳山頂直下
9/15 深夜にまとまった雨が降った。テントは浸水して寝袋が濡れてしまったようだが、朝は深夜の雨が嘘みたいな快晴だ。モンゲルロートを見ながらミソバターラーメンを食べた。カールを発ちガレ場を詰め、1時間ほどで東岳に到着した。さすがの3連休、東岳の山頂は人でごった返していた。
高山裏避難小屋には1時半に到着した。しまっていたベンチを小屋から出し、ここまで温存してきた酒とつまみをすべて開放した。MKさんが持ってきたマッシュポテトとコンビーフ、クラッカー、糠漬けで大優勝。一通り食べて飲んだ後はYOさんによる高野豆腐カレー。スパイスを吸った高野豆腐がうまいうまい。今夜も大満足で就寝した。小屋は貸し切りで広々使えて快適だった。

高山裏宴会場
9/16 朝食は昨日のカレーを洗いつつカレーうどんを食べた。午後から雨予報なので早めに小屋を出発した。持たされたビールも食料もようやくなくなりザックはスカスカだ。朝日が照らす心地よい縦走路を進む。一昨日歩いてきた小河内岳東尾根、悪沢岳北尾根が見えてよく歩いてきたなと思う。南アルプスの縦走路はずっと富士山がよく見えてどうやったって映えるのでズルいと思う。絶景を見ながらの歩行は足取りが軽い。サックと三伏峠を通過し下山する。
鳥倉登山口につく頃に予報通り雨が降ってきた。駐車場までに着くころには本降りになった。すんでのところで逃げ込むように車に乗りこんだ。まつかわ温泉に入りSAで食事をとり帰京。
往復の運転、食糧計画ありがとうございました。はじめての会での山行楽しかったです‼‼

小河内岳の稜線