例会山行 南アルプス深南部 [無雪期登山]
2024年11月8日~10日
L:KY AK SM MK YO KI TO KH(記)
〈行程〉
11月8日㈮ 前泊地発5:00~東河内林道ゲート7:00~林道終点9:00~通称殺生尾根取付8:00~水場12:40~小笹平13:00(泊)
11月9日㈯ 小笹平7:30発~イタドリ山8:30~青笹山10:00~青笹平10:40~青枯山11:00~三ノ沢山12:00~鹿子池奥の平12:30(泊)
11月10日㈰ 鹿子池奥の平7:00~東河内林道ゲート10:30~白樺荘(温泉)
〈記録〉
昨年に続き参加した南アルプス深南部におけるキャンプ例会山行。前泊するはKYさんの友人・Sさんのとても素敵な家。お酒、特に日本酒に目がない彼の家では、KYさんの取っておきで酒盛りが豪勢に行われていることだろう。深夜0時もまわる頃、最後に到着した我々を快く迎え受けてくれた。時間が許せばもっと杯を重ねたかったが、明朝早いためそこそこで就寝。
翌日、もそもそと起き上がり、すばやく準備を終えて出発。林道ゲートに車を置いてのち約2時間の林道歩き。谷を挟んだ向かいの山並みが朝日に照らされると、今年も素晴らしい紅葉が目を楽しませてくれる。しばらく行くと川に対面、昨年より水量の多い流れは、大きい荷物を担ぎながらだとなかなか骨が折れる。しかし、そこは海千?山千のスギローのお方々、次々と石から石、岩から岩へとジャンプして突き進む。さらに秋の冷たい川水もモノともせず、躊躇わず登山靴を脱いでの渡渉に繰り出し悠々と川を遡上していく。諸先輩の後塵を拝しつつ、無事に山への取り付きへと到着した。

冷たい川を渡渉

ジャンプ!
ここからは急登となる。見上げれば青い空を背景に、キラキラと紅葉した木々。テントと食料を入れたザックの慣れぬ重さに息を切らしながらも、ゆっくりと歩を進めることで安定して進んでいくことができた。途中、水場でビールを冷やしつつ、プラティパスに水を補給。さらに荷が重くなるが、本日のテン場までもう一息と思うと踏ん張りも効いてくる。まもなく、すっきりと抜ける青空の下に広がる小笹平に出た。

小笹平
荷物も下ろしテントも張り終わると、焚火が始まっている。各々が担いで上がった食料を広げて、そろそろ太陽が沈むという前に、その霜降り具合をよく見られるようA5ランクのステーキが披露される。その場で夕食の献立(KYさん担当)を知った者たちは歓喜し、そこかしこでアルコールの栓が抜かれる音が弾ける。野性的に焚火で焼かれナイフで切り分けられた肉が回ってくると、今宵の宴の口火が切られた。その後、ニンニクとマッシュルームを大量投下したアヒージョ、大きなホッケの開きなどが食卓を彩り、松茸が登場し歓声があがるような何度かの山場も迎えながら、焚火を囲んだ宴会は大いに盛り上がった。宴もたけなわで夜も更けていき、満点の星空のもと、飲みすぎ食べすぎの面々は大満足のうちにそれぞれのテントへ戻っていった、らしい(というのは、私は早めに爆睡してしまったから)。
翌朝も快晴、大無間・小無間山が綺麗に見える。イタドリ山から青笹山を経て、青笹平。山並みが連なる向こうに大きく広がる真っ青な富士山、その反対は上河内岳や聖岳の大展望。三ノ沢山を経て、鹿野たもんのそばにある本日の目的地に到着したのは正午を少し過ぎたくらい。ゆとりがあるので、ぼんやりしたり昼寝したりしながら、小さな流れのそばにテントを張り、焚火の準備に取り掛かる。窪地になっているため風もなく、秋の木洩れ日と水の流れる音のなか、素晴らしい午後のひと時を過ごす。この日の食事担当のMKさんが、クラッカーの上にコンビーフなど色とりどりの具材を載せて振舞ってくれる。今日のために残したビールの栓が開く瞬間だ。そして、焚火が大きくなってくると、夕餉の時間と相成る。SMさんがかざす小枝を通して飯盒の鼓動を感じ取り、機は熟したとみるや、ほかほかの炊き立てご飯の米が立っている。すかさず、大鍋に調合した特製スープに投げ込んで、MKさんスペシャル雑炊の出来上がり。水のせせらぎをBGMに、健やかな満腹感と酩酊状態の中、この日の夜も穏やかに更けていった。
次の日は天気不安定により、これ以上足をのばさずに早々に下山。途中で雨がぽつりぽつりと降ってきたが、無事に車までたどり着いた。昨年と同じく、白樺荘の温泉で汗を流す。結果、ルートとしては昨年と同じではあったが、今年は二日目も泊まれたことで沢山の新しい体験ができた。特に鹿野たもんのテン場について、昨年はただ通り過ぎただけだったが、今年は1日泊まってみて、その環境の素晴らしさと居心地の良さに心から感動した。計画してくれたKYさんをはじめ皆様、今年も南アルプス深南部ご一緒させていただき、ありがとうございました。そして、長距離を走ってくれたドライバーの皆さん大変お疲れさまでした。

気持ち良い道を行く

山を望む

青笹山頂上にて(2209m)