例会山行 雪上訓練 [積雪期登山]
2024年12月14~15日 L:TH、MK、MN、Nao、山正、SI(14日記録)、MK(15日記録)
<行程>12/14 訓練一日目 8:30谷川岳ロープウェイ駐車場集合~15:00 一日目の訓練終了 (ほかの参加者はテント泊の準備)
個人ではアイゼン・ピッケルを使って残雪期の赤岳や白毛門へ登ったり、山スキーでビーコンやスコップを携えて降雪後の山へ入ったことはありましたが、厳冬期の山に入ったり道具の使い方を正式に学んだことはありませんでした。
今回の訓練一日目を通じて感じたことは、自分が雪の山で対応できることは異常に少ないということです。自分のできることと、できないことを知ることができたことが一番の収穫だったと思います。そして自分の力量に合った山行を今後も続けていこうと思いました。

大きなザックを背負ってロープウェイ乗り場へ
一日目の訓練の流れと感想は下記の通りです。
①雪崩対策、ビーコン訓練:ビーコンを雪崩で埋没した遭難者に見立てて、一人ずつ順番に捜索。掘り出す作業を交代で実施。
→ビーコンの機種によって精度が違うこと、雪は想像以上に重く少し掘るのも大変だった。

斜面のどこかに埋まっているビーコンを探す訓練
②ラッセル:腰まで積もった雪の斜面で実施。
→ザックを背負っていなかったにもかかわらず、少し進むのも大変だった。他の山岳会の方がザックを背負って上がってくるのを見て力不足を感じた。
③滑落停止練習: 基本姿勢を実施。当日は降雪が多く適した斜面がなく動作の確認まで。
→滑落すると自身で止めることは難しいと思った。転ばないような歩行技術や、余裕を持った行動を心がけようと思った。
④ザイルワーク操作・下降系:スタンディングアックスビレイ、雪上での支点構築(スノーボラード)→ロープの流れを制御するコツを体験できた。滑落する側の役ができたことも制御があると楽に止まれることが実感できよかった。

滑落者をビレイ

スノーボラード
⑤アンザイレン系:コンテでの雪上登行について。コンテの利点など。
→雪の中や気温が低い条件でのでのロープの運搬、操作などの難しさについて考えさせられた。
「道具は持ってるだけではダメ」という言葉がありますが、この言葉の意味をわかってはいても個人ではなかなか学ぶ機会を持てずにいました。スキーや雪山登山の始まる時期に座学ではなく実際に体や手を動かしてその使い方を体感することができよい機会となりました。
また、雪が降りしきる中天候ので一日行動したことも、道具が雪に埋もれないように気を配ったり、手袋や衣服をぬらさないことを配慮するなど、雪の山での振る舞いを学ぶ機会にもなりました。知識も使わないでダメになってしまわないよう、この冬は学んだことを思い出しながら山を楽しみたいと思います。
今年、自分の会への入会のタイミングで数年ぶりに雪訓が開催され、参加できたことは幸運だったと思います。
12/14夕~12/15 訓練二日目
日帰りのSIさんを見送った後は、フカフカの雪を整地してジャンボエスパーステントを立てました。冷えた体もテントに入り食事の支度を始めればすぐに温まってきました。THさんが用意して下さったおつまみ、焼肉、鍋、ビール、ワインで楽しい宴会の始まりです。外は深々と雪が降り続いていて時々テントに積もった雪を中から叩いて落としながら、食もお酒も話もすすみ、お腹も心も大満足です。

楽しい宴会
寝支度の時は、みんながどんなシュラフやマットを持ってくるのか気がかりでしたが、混沌としたテント内で、Naoさんの長さ2m厚さ7cmくらいの筏(いかだ)のようなマットも登場して、場を盛り上げてくれました。全員で6人、外側に寝ることになった2人は寒かったということですが、内側の人々はぬくぬくと暖かく気持ちよく寝ることができました。「雪山テント泊は不快な環境なのに何だか楽しいですよ~」と帰りの車内で山正さんが言っていましたが、まさにその通りです。
12/15(日)6:00起床。朝食はカルボナーラ・チーズベーコントッピング。元気の出るメニューです。朝の空には、昨日の天気が嘘のような谷川ブルーが広がっていました。下から登ってきたというスキーヤー達も先行してトレースが期待できるので、もちろん谷川岳アタックです。
8:10テントは畳んでデポして出発。MNさん先頭で新雪を踏みながら登って行くと、真っ白な谷川岳の双児峰も見えてきて、気分は最高です。トレースがあるとはいえ昨日から積もった雪は深く、万一に備えて重いロープを担いでくれた体の大きいMKさんは、踏み抜き多く大変だったようです。
熊穴沢避難小屋付近でアイゼンを付けて小休止していると、朝一番のロープウェイで上がってきた人たちが沢山やって来て、賑やかな中でのピークハントとなりました。久しぶりの冬靴とアイゼンがとっても重い(><)

谷川岳双耳峰も見えてテンションアップ

アタック開始

谷川ブルー
11:40谷川岳トマの耳登頂。谷川岳主脈、浅間山、白毛門、至仏山、富士山まで遠望がきいて、全員で記念写真を撮りました。荷物撤収・ロープウェイの時間もあるため、この日は、オキノ耳は眺めるだけとなりました。

なかなかの急登です

トマノ耳登頂
登りの人のステップを壊さないように下ること、下る時に前の足の膝を曲げると体重が後ろに残らずに歩きやすいこと、雪崩の兆候を見ること、などTHさんに教えていただきながら高速下山しました。途中、山正さんがアイゼンを片方落としたようですが、戻って探して無事見つかったということで、みんなで歓声を上げました。大勢で登るって本当に素晴らしい!と思った瞬間です。
13:20テントデポ地まで下山。荷物撤収。
13:50結局余裕の時間でロープウェイ乗車。やり切った感いっぱいで、2日間の雪上訓練を無事終えることができました。
雪にも寒さにも負けす頑張った訓練、宴会テント泊、感動の谷川岳登頂。中身の濃い2日間を計画して下さったTHさん、車を出して下さったMKさん、本当にありがとうございました。参加の皆様もそれぞれの個性が光り、楽しい時をありがとうございました。