例会山行2025年 ナルミズ沢
メンバー L:YW YT KH(記)
8月22日(金) 前泊
8月23日(土) 白毛門登山口7:15~東黒沢遡行7:00~広河原11:15~ナルミズ沢遡行~幕場14:00
8月24日(日) 幕場7:00~ナルミズ沢ツメ~地蔵ノ頭9:30~ジャンクションピーク10:30~朝日岳11:00~大烏帽子岳11:20~笠ヶ岳12:00~白毛門12:45~白毛門登山口15:00
前週に谷川岳はトマの耳オキノ耳に登ってきた。夏真っ盛り、標高も1600mを越えたあたりまで汗が滝のように流れて、暑くてたまらなかった。オキノ耳を過ぎ、一ノ倉岳への途中から白毛門や朝日岳に相対し、次週の山行へ期待に胸を膨らませた。
沢登り初心者な自分だが、YWさん、YTさんと山に強く非常に心強くもある二人が先導するナルミズ沢の例会山行は、より一層、沢の楽しさを知る絶好の機会になると、参加を決めた。体調と態勢を整えるべく湯檜曽温泉に前乗りし、翌朝に二人と合流。まだ慣れていない沢の装備を身に着けるだけでワクワクしてくる。白毛門登山口から入渓し東黒沢を遡上、ジャブジャブと川水を跳ね上げて木々の下を歩いてくのは、先週の酷暑の谷川岳登山とは正反対で心身共に爽やかで涼しい。
早速、天然のウォータースライダー、ハナゲの滝が現れる。ここで一日滑って降りてしているだけでも楽しいだろうな。その緩やかで広いナメ滝を、ラバーを効かせて登っていくと、少しずつ川幅が狭まって木々が覆いかぶさってくる。日が出てきて木洩れ日となり、その光が川の水にキラキラと跳ね返って、まさに天国のよう…。めくるめく現れる滝や岩場がアクセントを加え、ロープ無しでもなんとか登っていけるため、楽しくて仕方がない。YWさん・KY両氏はペースや登りを気遣ってくれつつも、やはり経験値と体力ではどちらも不足している私とは大きな隔たりがあり、歩き進み方が動画を早送りしているかの如し。でも、KYさんはたまに思い出したように釣竿を下げて水流に糸を垂らしているし、YWさんは石を枕に川袖の日陰で昼寝し始めたりと、それぞれゆったりと沢を楽しんでもいる。さすがです。
一本取って、YWさん持参の極上素麺をスルリと腹に落としてから出発。沢と素麺というのは相性が良いらしく、初めて行った西棚の沢でも美味しくいただきました(割と最近ですが)。水は見ていて飽きない。真っ白に落ちる滝が流れ込む滝壺付近は、深い青色をしていて神秘的。天然のプールになっている釜には綺麗な翠色がたゆたい、スイミング欲を強烈に煽り、飛び込んで泳ぎまくった。滝登りや迂回、浮石や苔むした滑る石、川の深さや水流そして水の冷たさなど、いつもの登山道とは違う全てを体中で感じ、二人の背中を追って歩いていくと、幕場についた。
山の中、河原での焚火ほど心を満たすものは無いかもしれない。心地よい汗と疲労にまみれた体を川の冷水で清め、身も心もさっぱり清潔になって原始の焚火にあたり、遺伝子レベルの温冷交代浴にディープなチルを味わった。二人と酒を飲み交わして語らい、まさに天上のような酩酊のうちに一日を終えたのだった。翌日に地獄が待っていることを知らずに…

ハナゲの滝を登る

天然のプールでスイム

滝を登る
二日目の朝。どうも顔中が痒い。蚊帳を被って寝ていたのだが、肌に被さったレースの網目の隙間から何ヵ所も刺されてしまったらしい。川の水で冷やせば、まあ気にならなくはなるか。焚火の後始末をして出発。YTさんは少し早めに出て、上流で魚釣り(一匹釣れたとのこと)。YWさんと少しゆっくり目に登っていく。今日は沢登り少し、山歩き(というか下山)がメイン。とはいえ序盤には、なかなか水量や高さのある、よじ登るようなゴツイ滝も出てきて、斜度も心なしか険しくなっている気がする。進むにつれて谷間から山が見えてきて、高度が上がってきたことを実感する。気づいたら足元の水が少なくなり、草の間を縫うように歩いていくと、いつのまにか川がなくなった。広がる草原の上に雲が立ち、隙間から青空が垣間見える。ここが天国のツメか。昨日の疲れを引きづりつつも、上機嫌で歩いていくと、(あれっ?という間に)いつの間にか藪漕ぎをして、汗だくになりながら果てしない登りへと息を切らしている自分を見出す。シームレスに地獄が始まっていた。
ジャンクションピークから朝日岳、大烏帽子岳、笠ヶ岳を経て白毛門へと、山の先輩である両氏に大変お世話になりながら、なんとか下山の運びになった。慣れぬ沢登りと長距離の下山に体力と水分を奪われ、登山口に帰ったあとの温泉とメシを希望に地獄の行程をどうにか歩き切ったのだった。YWさんYTさん、爽やかで歩きごたえのある楽しい例会山行をありがとう!

ツメへ

稜線へ

白毛門山上