例会山行:2025年11月29日 参加者:20名
場所:鳩ノ巣バンガロー 参加者を3班に分け、1〜3を実施
1 傷病者の意識確認と心肺蘇生 9時半~12時
THさんによる、山岳遭難時におけるファーストエイドおよびAEDの現状に関する解説と事例紹介の後、班ごとに実技を行った。
① 要救助者を発見した際は、まず周囲の安全を確認し(二次遭難の防止)、声かけによる初期評価を実施する。
② 班内で役割を分担し、通報担当者は携帯電話のGPS表示方法を確認する(Googleマップの現在地〔青丸〕の長押し、ジオグラフィカの表示など)。救助要請用の携帯電話は1台に限定し、警察・消防への連絡専用とする。
③ 救助班はレンタルマネキンを用いて胸骨圧迫の訓練を行った。平らで硬い場所を選び、100〜120回/分の速度で実施する。目安として「アンパンマンのマーチ」や「ドラえもんの主題歌」を活用した。マネキンはアプリと連動し、解除、深さ、速さを測定して班ごとにスコアが提示された。参加者は歌や手拍子でペースを保ち、いずれの班も90点台の高得点を記録した。
※ 人工呼吸は確実な実施が難しいため、胸骨圧迫に集中することが有効である。

マネキンを利用したCPRの練習
2 ザック担架搬送 13時~14時
昼食後は傷病者の搬送訓練を行った。
・ツェルト搬送
傷病者をツェルトで包み、カラビナとスリングを用いたクローブヒッチで固定した。続いて、傷病者の両膝下・腰・肩にアンカーポイントを作成し、ロープで固定し、肩からスリングを斜め掛けして班ごとに搬送した。搬送者の体格に合わせてスリングの長さを調整し、傷病者を水平に保つのがコツである。
・ザック担架搬送
背面パッド付きのザックを3つ縦に並べ、肩紐をカラビナで連結して担架を作成し、腰ベルトで傷病者を固定した。鳩ノ巣バンガロー構内でザック担架による搬送を実施した。


3 背負搬送、三分の一引き上げシステム、懸垂下降・仮固定 14時~15時半
鳩ノ巣渓谷の河原に移動して、背負搬送の訓練。ザックやストック、ハーネス等を用いた様々な種類の背負搬送を実施。
背負搬送
① ザックのみ
ザックを上下逆にし、腰ベルトを用いて傷病者を固定する。
② ストック+ザック
ストックをシートで巻いて背負子状にし、傷病者を腰掛けさせる。搬送者はザックの肩紐を使用でき安定するが、傷病者の負担が大きい方法である。
③ ハーネス+スリング+カラビナ+ザック
スリングで簡易ハーネスを作成して傷病者に装着し、ザックの肩紐にクイックドロー、またはカラビナとスリングを連結する。これを傷病者のハーネスのレッグループに交差させて接続する。

三分の一引き上げシステム
・河原の岩上に支点を設け、YOさんによる1倍力から3倍力までの説明の後、救助者が岩上に移動し、三分の一引き上げシステムを構築して傷病者を引き上げる実技を行った。
① 支点では、ロープの逆戻りを防ぐため、巻きつけ結びによるオートブロックを作成する。
② 傷病者側のロープに、巻きつけ結びまたはタイブロック等を設置する。
③ 支点で折り返した救助者側のロープを、カラビナを用いて②と連結し、傷病者側のロープと平行になるように引く。
④ ある程度引き上げた後、②の位置を傷病者側へ移動させる。
なお、③の工程で滑車付きカラビナやプーリーを使用すると摩擦が軽減され、より少ない力で引き上げが可能となる。
・懸垂下降・仮固定
岩上の支点からカラビナを用いてムンターヒッチによる懸垂下降および仮固定の練習を行った。Iさんから、ムンターヒッチの作り方と、片手で操作可能なミュールノットの結び方の紹介があった。

4 所感
お天気にも恵まれ、奥多摩のお猿の群れに見守られながらのレスキュー訓練。ファーストエイドの最新の対応を教えていただき、実技訓練も行うことができました。道具の扱いにまだ慣れていなかったり、咄嗟にシステムを組むのが少し不安になる場面もありましたが、先輩方のアドバイスでより効率的な方法を学ぶことができ、安心しました。実際に手を動かして練習することで、自分の知識や理解を確かめることができ、とてもためになる経験となりました。忘年会も大いに盛り上がり、先輩方の大冒険の話を伺いながら、楽しく英気を養うことができました。
