黒負山〜北アルプス最北端の2000m峰

2022年2月12日 晴れ 風弱い (山波444)
メンバー KY(リーダー)、MK、AK、YO、他4

〈行程〉
木地屋(EL.650m)3:45〜900m乗越4:50〜 5:05 大所川鉄橋(EL.570m)6:00(コーラデポ)〜標高1102m8:20〜標高1309m9:20〜標高1653m10:55〜黒負山山頂(EL.2070m)12:30〜鉄橋3:00-3:10〜900m乗越16:40-16:55〜木地屋17:20

午前3:45 真っ暗な木地屋をスタートする。闇夜の新雪ラッセルはヘッデンの明かりがキラキラ光り気持ちがいい。出足は急だったけど、後は緩やかな森を彷徨して900m乗越に1時間でついた。ヘッデン滑降は、尾根筋だけれどもルートが簡単ではない。右に左にGPSを頼りに下る。地図と磁石では下降は無理かな。
川床についてシールを張り林道を20分進めば鉄橋に出た。ここに帰還のご褒美ドリンクを各自雪に埋めた。ようやく空が白み始める中、林道を進む。林道はオープン斜面をいくつか交えて稜線に向かっていて滑降の期待もわいてきた。
黒負山は標高2070m、北アルプス最北端の2000m峰。そしてこの北東尾根は大所川から伸びる長い尾根。主稜線から外れているし、最北端という事で最初から展望が素晴らしい。
雪倉岳や頚城オールスターズが早々に登場しモチベーションも上がってくる。また一定の斜度を保ち伸びる幅広い尾根は概ね登りやすい(ラッセルは別)。そして1500mを超えると、森林限界を超えたようで、真っ白な尾根筋に自分たちの一本のシュプールが伸びていく、本当に素敵な光景が広がる。これほど山スキーで美しい山はなかなかない気がした。
何十年も前から、黒負山はいつも蓮華温泉から眺めていたけれど、さほど気になった事もなかったし、お薦めの言葉も聞いたこともなかった。でも登りの最中で(滑る前に)既に山スキーベスト3入りが、自分の中で決定していた。
1600m付近で30年間この山に通っているという3人組に抜かれた。他パーティーに会ったのは30年で我々が2組目、最初の1組はぶなぱうさんだったらしい。
1800mを過ぎると、いよいよ厳冬期北アルプスの主稜線の風景で真っ白な山々が輝き始める。山頂をロックオンした1900mからは緩やかな尾根になり天空の階段が山頂に続いていく。
皆が迎えてくれた山頂で握手をしてノンアルビールでささやかな乾杯をした。山頂からは、白馬 雪倉 犬が岳 白鳥山と連なる真っ白な栂海新道が圧倒的でした。この景色は本当に素晴らしい。
頚城オールスターズに向かっての山頂からの滑降は言葉がありません。ただただ山スキーバンザイ、やっていて良かったです。1500m付近から沢に落し1250mまで素晴らしい変化に富んだ粉雪斜面が広がっていました、そしてその後も標高600m鉄橋まで粉雪を拾いながら滑った。
ご褒美コーラを飲み干して 350mの登り返し、足は鉛のように重かったが振り返れば大所川の遥かかなたに3月訪問する雪倉岳が背中を押してくれた。17:00乗越に到着し木地屋に向かう森は、たっぷりの粉雪が温存されていた。夕闇迫る中、オレンジに染まった雨飾山を望みながら最後の滑降を楽しんだ。
こうして14時間の黒負山の旅は完了した。累積標高差は甲斐駒黒戸尾根を越える2350mだった。くたびれた! でも、この山は来年もまた是非訪れたい。
今回は久保さんの計らいで宇都宮渓嶺会の若手スーパーラッセラー3人が参加、ほぼラッセルをしてくれました! 来年も来てくれるかな? ありがとうございました。

暗闇のラッセル

 1600m付近 シュプールを真っすぐに伸ばしていく

頸城オールスターズと山頂に!

栂海新道の山々

帰りはたっぷり遊んだ

タイトルとURLをコピーしました