個人山行 槍ヶ岳北鎌尾根 [残雪期アルパインクライミング]
2023年5月2日~5月4日
Hiro、他1
〈行程〉
5月2日(火)上高地~横尾~ババ平~水俣乗越~北鎌沢出合
5月3日(水)北鎌沢出合~北鎌のコル~独標~北鎌平手前
5月4日(木)北鎌平手前~北鎌平~槍ヶ岳~殺生ヒュッテ~ババ平~横尾~上高地
〈記録〉
上半期の大きな山行の一つで予定していた槍ヶ岳北鎌尾根。GWの天気を見ながら後半に寄せた日程で計画を実行した。前の週に予行練習で西穂高岳西尾根に行ったもののだいぶ草臥れたので、できるだけ荷物の軽量化に努め、各自45Lザックにできるだけコンパクトに詰め込んだ。ガチャは最低限、ロープは40m一本、食事はフリーズドライ、寝袋も薄め。
初日朝一で上高地に入り、6時半頃に河童橋から歩き始める。ババ平から雪道に変わり13時頃に大曲あたりに到着。かなり暑い。水俣乗越までの急登を約1時間かけて登り、今度は北鎌沢出合に向けて下る。知り合いの話だと、昨年はこの時間帯の水俣乗越付近の雪が不安定で雪崩そうだったので停滞し、翌日の早朝に雪が締まってから出発したそう。警戒していたが、そのような気配はないので下る。かなり急なので慎重に下った。北鎌尾根を左手に眺めながら、15時半に出合に到着。
翌朝5時に出発。北鎌沢出合から北鎌のコルまで2時間半を要する。ここが全行程で一番辛かった。しかしながら天気は最高。コルから先、ひとまず天狗の腰掛を目指して前進。10時頃に天狗の腰掛に着く。今度は独標を目指して再び前進。独標への登りで一部急な雪壁があったがフリーで通過した。12時半頃に独標に到着。ようやく槍も視界に入るがこの辺から北鎌尾根の長さを感じ始める。アップダウンしながらルーファイで行きつ戻りつし、もはや何番目のピークか分からないなかで15時半頃、北鎌平の手前で幕営することにした。フリーズドライの味気ない食事だが、この上ない場所で一夜を明かすことに喜びを感じた。
最終日は6時出発。晴天のなかで槍を眺めながら、北鎌平に向けて進む。途中で懸垂一回、40mロープで事足りた。また、ちょっとした岩場のクライミングでハーケンを使用。憧れのクラシックルートでやりたかったことをいろいろ実現できた。北鎌平に8時半到着。
ここから大槍に向けて最後の登り、頂上直下あたりまで延々とダブルアックスで登って、結局ロープを出すこともなく10時に頂上に着いてしまった。頂上には既に数人の登山者がいた。反対側の槍ヶ岳山荘の方を見下ろすと槍沢ルートで登ってくる多数の登山者で賑わっていた。槍ヶ岳から自分達が登ってきた北鎌尾根を感慨無量の気持ちで眺めて、頂上を後にした。